海の碧、君の青
私は海洋恐怖症だ。
海洋恐怖症とは大量の水の中にいること、海の広大な空、海の波、陸からの距離に対する恐怖が含まれる。(Wikipediaより引用)
保育園生の頃、なつの図鑑を読んでいたら突然現れた海洋生物の図に鳥肌がたった。
しかも太古の時代、深海で生きる恐竜の図まで描かれておりびびり倒した。
淡い海の色が深海にいくにつれてどんどん深い濃紺になっていく様が、どこか暗闇に引きずりこまれるような、閉じ込められるような、なんとも言えない恐怖を感じて、今も海を見るとざわざわする。
なぜ海洋について話したのか。それは私がキムテヒョンに対して最初に抱いた印象と似ているからだ。
テテペンさんには聞き苦しい話かもしれないが、正直最初は苦手だった。
彼の持つ三白眼が、ミステリアスで人を狂わせてしまうような佇まいが、広大で底なしの海を想起させたのかもしれない。
彼の印象が変わったのは、2019年に開催されたFANMEETING BTS 5TH MASTER "MAGIC SHOP"からだった。あれから一年経とうとするいま、思い出したかのように書いている。
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私はナムジュンのメントを聞くのをいつも楽しみにしている。
彼の紡ぐ言葉は自分と向き合い、もがいて、勉強して、自分なりの解釈を見つけて、やっとアウトプットしているような、そんな思いが伝わってくるようで好きだ。
ソウルで行われたペンミで、彼は
「実は今日ぼくは、ちょっと悲しかったんです。元気がなくて、なんとなくそういう日もあるじゃないですか。でもそんな気分で出てきたらダメじゃないですか。それでどうしようかと思っていたんですが、さっきテヒョンと、HOME出てくる前に話したじゃないですか。「もし今日が人生で最後の日だったらどうしますか。」って言ってたじゃないですか。でもその言葉を聞いて、それもありだなって思ったんです。そう思ったら急に気分がよくなったんです。それですべて忘れて皆さんと今日すごく楽しくて、それ以上考えずに、すごく楽しく最後を楽しく飾れる魔法を、みなさんが僕にかけてくださったので、僕は本当にこの瞬間だけで十分だと思います。」と続く。(VLIVE 映像翻訳より抜粋)
VLIVEのライブ配信を見ていて、このメントにはっとした。
ナムジュンが悩んでいることに気づいて、会話の中にすっとこの言葉を織り交ぜるって、なんだか処方箋みたいで、テテってこういう人なんだなぁと感じた。
四次元なんかじゃない、人の痛みの分かる優しい人。
この一言ですべて分かった気になんてなっていないけど、ほんの少し片鱗ぐらい見えたんじゃないかな。ナムジュンにそうだったように、これを聞いた私にも、優しく刺さる棘みたいにずっと抜けなくて、心が折れそうな時の支えにしている。
テテの頭の中には、どんな宇宙が広がっているんだろう。
誰かの心が枯渇してしまいそうな時は、水を与えて、光を与えて、言葉をくれることを厭わない人。
直観で好きだと思ったものを、それがたとえ石ころでも、磨いてつやつやにして宝物箱に入れているみたいな、それを欲しいと言う人が現れれば「どうぞ」と渡してしまうような、そんな人に今は思える。
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2020年6月13日をもって2週間に渡る7年目のFESTAが終了した。
방탄생파内で、テテは「みんなの子どもがみたい」と前後の文脈ガン無視で言い放った。慌てながらも、メンバーは「言いたいのはこういうことだよね?」とフォローしていた。みんな対応に隙がなく、慣れていた。
テテのユニバースをうざったく思う人も否定する人もいない。だから防弾少年団好きだなと思うし、テテの突飛な発想に翻弄されるARMYで居続けたいなと思う。
最後に、7周年おめでとうございます。
ありきたりな言葉でしかないけど、あなたたちに出会えて本当に良かったです。一生続けてほしいだなんて、その言葉が鎖となって、重荷になってしまうことが怖いから届かないこの場所でしか言わないけど、いまだけは永遠を信じさせてほしいです。Young Forever.